建設業界天気予報<土木> | SAN-SUKE

建設業界天気予報<土木>

土木の業界天気:くもり

土木業界の現状や将来性を紹介します。
結論からお伝えすると、土木業界は今後も多くの工事が控えているので将来性は良いと言えるでしょう。
しかし、深刻な人手不足が問題になっています。
今後の労働環境なども含めて解説するので、キャリアプランの参考にしてみてください。

土木工事の種類

まずは、土木工事の種類をご紹介しておきます。
大きく分けると、下記ような種類があります。

・道路工事:道路改良工事・舗装工事・道路維持工事・道路構造物工事など
・トンネル工事:シールド工事・推進工事など
・橋梁工事:鋼橋架設工事・PC橋工事など
・ダム工事:コンクリートダム工事・フィルダム工事など
・海岸工事:堤防工事・護岸工事など
・河川工事:河川構造物工事・河川維持工事など
・水道工事:上下水道の工事・管工事など
・砂防工事:砂防や地すべり防止の工事など
・農業工事:ほ場整備工事・農用地造成工事・農道工事など


新設工事はもちろん、維持・補修の工事も存在します。 そもそも人が生きていく上で土木は必要不可欠なので、基本的には今後も安定して仕事があり続けると考えられます。

土木業界の将来性

2008年のリーマンショックを機に土木工事は減少に転じましたが、下記のような工事があったことで全体の工事高が上がってきています。

・2011年~:東日本大震災の復興工事
・2016年頃~:東京五輪関連の工事

そして、今後は下記のような工事が控えています。

・高度経済成長期に造られたインフラの改修工事
・2025年の大阪万博の工事
・2027年に開業予定のリニア新幹線の工事

高度経済成長期に造られたインフラ(道路・橋・ダム・河川・鉄道・空港など)で50年以上経過したものが増えてきており、大規模な改修工事が必要な時期に入っています。

出典:国土交通省「インフラメンテナンス情報 社会資本の老朽化の現状と将来」
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html
今後も大型の工事が控えているため、将来性は問題ないといっていいでしょう。

ただし人手不足が問題

土木工事は豊富にありますが、問題は人手不足です。
下記のような理由で、土木業界は人が足りない状況になっています。
・ベテランの退職
・若手が入職してこない
・地方公共団体と民間企業の土木人材の取り合い
ベテランが退職していくのに、若手が入ってこない状況のため、今後の人手不足はさらに深刻化する恐れがあります。

出典:国土交通省「建設産業の現状と課題」
https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf

土木業界に若手が入職してこない理由の1つは、下記のような「3K」のイメージです。
・きつい・汚い・危険
また、地方公共団体と民間企業の土木人材の取り合いなどもあり、人手不足の要因になっています。

出典:国土交通省「建設産業の現状と課題」
https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf

ICTの進化は土木業界の人手不足を解消するかもしれない

土木業界の人手不足を解決する対策として注目されているのが「ICT」です。
※ICT=Information and Communication Technology
IT技術を活用して、土木工事の業務効率を上げることができます。
具体的には、下記が注目されています。

・ドローンによる3次元測量
・CIMの導入
・建設機械の自動運転

従来の測量は人が歩いて行うものでしたが、ドローンが空撮で測量を行い、その3次元データをすぐ取り入れることができます。
また、「CIM」とは「Construction Information Modeling」の略で、3Dデータで設計者・施工業者・施主で一元管理された情報を共有することができます。
建設機械の運転ができる技術者も減少していることから、自動運転技術も土木業界を救うことになるでしょう。
いずれも業務を大幅に削減してくれるシステムであるため、人手不足の解消につながるのではないかと期待されています。

まとめ:働き方改革も土木業界を救うのか?

土木業界への入職者を増やすための取り組みとして、働き方改革も進められています。
代表的な働き方改革は下記のとおりです。

・2024年~:36協定の適用
・2021年~:週休2日制の実施
・社会保険未加入業者は建設業の許可・更新が認められなくなる

参考:国土交通省「建設産業の現状と課題」
https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf
若手の入職や、土木業界から別の業界に転職してしまった人を呼び戻すキッカケになることが期待されています。
※ただし「週休2日の導入で、日給で働く技術者の収入が減る」などの問題もあります。
建設業界の働き方改革は国や大手ゼネコンが主導で進めているため、業界全体に波及する可能性があるでしょう。
今より働きやすい環境を作ることで人手不足を解消し、潤沢な工事をこなすことで業界全体が発展していくことを祈るばかりです。

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