建設業の離職率は実際どれくらい? | SAN-SUKE

建設業の離職率は実際どれくらい?

建設業の離職率について解説します。
結論、条件によっては離職率が低い面もあるので、一概に「建設業は離職率が高い」とは言えません。
また、実際に辞める人の理由も解説するので、就職・転職の参考にしてみてください。
建設業界のイメージと現実が違う部分もあるので、きちんと知っておきましょう。

建設業の離職率は実際どれくらい?

厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」によると、平成23年3月卒で建設業に就職した人の3年目の離職率は下記のとおりです。

建設業の新規高卒者:48.5%
全産業の新規高卒者:39.6%
建設業の新規大卒者:29.2%
全産業の新規大卒者 :32.4%


出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000090621.pdf

高卒者の建設業の離職率は高いですが、大卒者は離職率が低い傾向です。
「建設労働者を取り巻く状況について」によると、新卒者が建設業に入職したきっかけで多いのが「学校、専門学校、訓練校等の授業を受けている中で興味を持って」とあります。
つまり、大学で建設を学んだ人は興味をもって建設業に就職している傾向が強く、離職率が低いと推測されます。

建設業を辞める人の理由6選【ただし現実は違うことアリ】

次に、建設業を辞める人の理由を解説します。
「建設労働者を取り巻く状況について」によると、主な理由は下記の5つです。
①休みが取りづらい
②遠方の作業場が多い
③雇用が不安定
④作業がきつい
⑤現場での人間関係が難しい
1つずつ解説します。
※イメージと現実が違う点もあるので、併せて解説していきます。

【理由①】休みが取りづらい

「建設労働者を取り巻く状況について」によると、平成26年の有給休暇取得率は下記のとおりです。
・建設業:40.3%(7.4日)
・全産業:48.8%(9日)
他の業界に比べて、建設業は休みが取りにくいといえるでしょう。
ですが、今後は状況が変わってきそうです。
旧来の建設業界は週休1日制が一般的でしたが、週休2日制を導入する企業が増えています。
建設業で週休2日を導入している企業の割合の推移は下記のとおり。
・平成22年:25.3%
・平成26年:40.3%
週休2日制はさらに普及する傾向なので、今後はもっと休みを取りやすくなるかもしれません。

【理由②】遠方の作業場が多い

企業によっては、遠方の作業場に配属されることもあります。
※大手になると海外赴任する人もいます。
もし遠方の作業場を避けたいなら、地方の建設会社がおすすめです。
地元密着で経営している会社は、遠方の作業場が少ない傾向です。

【理由③】雇用が不安定

主に下記のような理由で、建設業は「雇用が不安定」と言われることがあります。
・日雇い労働者も多い
・日給制だと収入が天候に左右される
結論、日雇いや日給制だとどうしても不安定になることもあるでしょう。
ですが、現在では月給制に切り替える企業が増えています。
「建設労働者を取り巻く状況について」によると、24.9%の企業が月給制で、安定雇用の会社が増えている状況です。

【理由④】作業がきつい

「作業がきつい」という理由で建設業を辞める人もいます。
建設業界は「3K」といわれることがあり、意味は下記のとおりです。
・きつい
・きたない
・危険
ですが、建設業界にもITが浸透していることで、徐々にきつい作業が減っていく傾向です。
具体的には建設ロボットの開発や、肉体への負担を減らすロボットスーツの実装、
測量や点検など一部の作業をAIやドローンが代わりに行うシステムなどの研究開発が進んでいて、
大きな現場では稼働しているケースもあります。

【理由⑤】現場での人間関係が難しい

人間関係を理由に建設業を辞める人もいます。
建設業界は「職人」「修行」の側面があるため、耐えられなくて辞めてしまう人がいるイメージです。
ですが、どの業界でも「人間関係」を理由に辞める人はいるため、この辺は建設業界に限った話ではなさそうです。

まとめ:一概に「建設業は離職率が高い」と言えない現実があります。
また、今後は法整備や技術革新で、離職率が下がっていくことも考えられるでしょう。
仕事である以上は大変な部分もありますが、大変な部分も知った上で就職・転職を検討してみてください。

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